タイヤ・ホイール分会

 普通、軽トラックのタイヤは145R12 6PR LTが基本となっています。新規格アクティ初期型は8PRでした。PR(プライ)とはタイヤの強度を表します。乗用車が4PR相当ですが、かわりに「ロードインデックス」という基準があります。

 その昔、2WDが中心だった頃は5.00−10 4PRというバイアスタイヤでした。それが4WDの登場と共に5.00−12が基本となり、やがて145R12のラジアルタイヤが基本となりました。現在では全車ラジアルとなりました。

 バイアスタイヤで「軽トラは所詮こんなもの」と思っている方、タイヤを変えてみて下さい。きっと車自体の印象ががらっと変わってしまいます。

 バイアスタイヤはラジアルタイヤより直径が大きいことが多く、145R12の平均直径が542mmに対し、5.00−12の直径は566mmほど(手元のダンロップのカタログから)なので、スピードメーターが狂ってしまいます。
 そこで、メーターの狂いが気になる場合や最低地上高が必要な場合は、135/95R12、145/95R12などという交換用大径タイヤや、155R12、145R13サイズにするのが良いようです。
 ただし、バイアスタイヤは、同じ5.00−12でも145R12に近い直径のタイヤもあるようなので、今使っているタイヤと比べてみてから買い替えるのがよさそうです。

 だいぶ少なくなりましたが、純正が5.00−10の場合は135/95R10、145/95R10というサイズになります。トラック用にこだわらなければ、135SR12とか、155/70R12、145/65R13、155/65R13などにインチアップするのもいいと思います。いわゆる「ワゴンRタイプ」用のタイヤとして安くセットで販売しているものが使えます。

 注:バン/トラック用タイヤ(LTタイヤ)から乗用車用タイヤに換え、JWL−T規格外のアルミホイールに換えた場合で、重い荷物を積んで不具合が出たとしても、当研究会では責任を持てません。自己責任の上でお願いします。なお、このような改造をして車検が受かるか?という質問がよく来ますが、各地の軽自動車協会や民間車検場によって見解が異なるそうです。最寄の軽自動車協会や整備工場に訪ねてください。
※掲示板で規制緩和で積載量500kg以下の商用車は問われなくなったという話が出ていました。管理人の最寄の整備工場(民間車検場)の担当者に問い合わせた結果もJWLだけでOKということだったのですが、この点については保留にさせていただきます。

 純正サイズ編

 軽トラック用タイヤは、その用途に合わせて大きく分けて2種類に分類されます。
○バンタイプ:乗り心地、耐久性、操縦安定性をトータルに追及した基本タイヤ。オフロードをあまり走らない場合はおすすめです。積載重視タイプと乗り心地重視タイプがありましたが、境目がはっきりしなくなったので、表は統一しました。
○オフロードタイプ:溝が大きく、農林業向けにオフロード性能を向上したタイプ。バンタイプより早く減り、騒音も大きめ、オンロード性能もある程度犠牲になるのが難点です。ブリヂストンのG561、ファルケンのライナムG2は、特にオフロード寄りの性格をもっています。
 さらに、畑の中に入っていく人には、ワンタッチで追加できる補助輪が発売されています。(株)カムサー「楽輪」

 タイヤはあまり多くの性能を欲張れません。例えばオフロードに強いタイヤはオンロードで飛ばすと簡単に滑ったりしますし、グリップや乗り心地を欲張って乗用車用タイヤにすると、あまり荷物は積めなくなります。
 状況に応じて交換するのが理想ですが、あまり現実的とはいえないので、どこかで妥協するものといえます。

2004−2005各社タイヤガイド 145R12 6PR LT サイズのあるもの。

バンタイプ オフロードタイプ スタッドレス
ブリヂストン ☆ドーナッツR600
605※
613V
☆G561
☆604V
☆ブリザックW965
ダンロップ ☆デジタイヤDV-01
LT 56A※
☆グラントレックTG4 ☆グラスピックDS-V
ヨコハマ ☆デリバリースター808 
919(旧モデル)
※355
☆スーパーディガー828 ☆SY900
ファルケン(オーツ) ☆ライナムR51 ライナムM2(オールシーズン)
☆ライナムG2
 
☆エスピアMV03VAN
東洋ゴム ☆V-02 
VA-1(旧モデル)
☆iA06 ☆ガリットSV
ミシュラン ☆XCLT PLUS ☆MAXI-ICE VAN
グッドイヤー ☆G47
G28

☆軽トラック、バンにおすすめのタイプ ※カタログには載っていませんが、標準装着用。一般には注文販売となります。

スタッドレス編

 スタッドレスも、本来は145R12 6PR LTが標準なのですが、バン&トラックタイヤは耐荷重性、耐久性を重視しているため、乗用車タイヤより凍結路での性能が劣っているものが多いです。
 ひとつのメーカーで2タイプ用意しているものもあり、その場合は上の表で☆マークがついている方が軽トラック向きです。ただし温暖地で、ききより長持ち性の方が重要視される場合は、☆マーク無しの方でもいいと思います。

 乗用車用スタッドレスの評判は、ネット上でいくつか見られますが、バン&トラック用スタッドレスの評判は皆無に等しいです。また、バン&トラック用のモデルチェンジは、乗用車用より1年〜数年遅れということも多いです。

 口コミも重要だと思いますが、スタッドレスの良し悪しを語る上で、スノーとアイスでは別々に評価しなければいけません。一般的にアイスバーン重視の最新乗用車スタッドレスは、その分圧雪、凍結になる前の柔らかい雪や、水分を多く含んだシャーベットでイマイチになることが多いです。口コミはこの辺があいまいで、単純に「コレは滑る」とかいうことが多いので、私はアテにしていません。

 タイヤの表面を地図に見たて、接地する部分を「ランド」、溝の部分を「シー」とします。この比率を「シー/ランド比」と言います。
 圧雪、アイスバーンで効くようにするには、ランド比を高め、ゴムの中の気泡やひっかき素材の効果を少しでも高める必要があります。また、細かい溝「サイプ」の長さも長い方がいいと言われています。
 逆に柔らかい雪で効くようにするには、シー比を高め、太い溝で雪はけを良くしなければいけません。
 また、タテヨコバランスも問題になります。縦方向の溝が不足しているタイヤだと、発進加速やブレーキングは良いものの、横方向に滑りだすとあっという間にスピン、たてなおすのも難しいということもあります。

 トラック用タイヤは荷重を考えて設計しているので、冬期間、あまり荷物を積まないのであれば仇になることもあります。
 乗用主体、アイスバーン重視では、一般的にトラック用よりアイスバーンでのグリップがいい、乗用車用スタッドレスでもいいと思います。ただし最近の重い軽トラックやバンでは、145/80R12サイズは腰砕け感があります。腰砕けが気になる場合は、インチアップしてもいいでしょう。バイアスタイヤからの移行組は155SR12でもいいと思います。
 逆に柔らかい雪やシャーベットを重視する場合は、なぜかトラック用の方がシー比の高いタイヤが多いので、こちらの方がいいと思います。シー比の高いスタッドレスは、オフロードタイヤとしても重宝します。はっきり言って下手なオフロードタイヤより泥はけが良かったりします。

 ハードな圧雪や凍結路では、空気圧を低めにすると接地面積が増え、有効エッジ長が増えます。ただし下げすぎてもいけないようです。1.8キロくらいが限度でしょう。もちろんアスファルト路面に戻る場合は適正な空気圧に戻さなくてはいけません。

 ABS装着車だと、スタッドレスで濡れた路面では、余計なABSが顔を出し、ヒヤっとしたこともあります。やはりスタッドレスのアスファルトでのグリップ限界は低いようです。
 夏場のはき潰しは、オンロード性能を考えればあまりおすすめできませんが、あまり飛ばさないのであればオフロードタイヤとして使うのもいいと思います。まあ、オンロードでのグリップはバイアスタイヤやオフロードタイプとあまり変わらないような気もします。
 
 なお、軽トラックは、冬の間比較的走行距離が伸びない場合が多いのですが、いくら磨耗していないからといっても、ゴムは劣化します。 せいぜい3シーズンが限界でしょう。

スタッドレスタイヤ研究員リポート

空気圧とタイヤ外周について(軽兵衛研究員の実験と考察)

 サイズアップ編

 「冬用タイヤは純正より細めがいい」などという人もいますが、細目のタイヤは積雪路で有利な反面、圧雪、凍結路となるにしたがって不利になってしまいます。車重とタイヤの設計のマッチングもありますが、今までの経験上、一般的には凍結路を中心に考えると、ある程度は接地面積の大きいタイヤがグリップするように感じます。各メーカーの凍結路重視タイヤは、モデルチェンジのたびに接地幅を広く、接地面積を多くとる設計になっていくようです。

 現在の軽ワンボックスの上級車種は、165/65R13というタイヤが基本になっています。このサイズは145R12と直径が同じというのがポイント。スタッドレスだけでなく、走りを重視するならこのサイズがおすすめです。タイヤを換えるだけで乗り心地も良くなり、一回り大きな車に乗っているような安定感が感じられました。

 ただし新規格のセミキャブ車はホイールハウスが狭いため、純正13インチのオフセットと同じにしないと、はみ出たり内側が接触したりしそうなので注意してください。

 一時期RCカーでは前が細く後ろが太いタイヤがはやりました。そこで、前を145R12、後ろを165/70R12にして、ちょこっとだけ雪道を走ってみたことがあるのですが、実にコントローラブルでした。しかし、フルタイムにしろパートタイムにしろ4WDでは前後のタイヤに直径差が出ると危険なので、絶対やめましょう・・。

 そして最近では165/55R14、165/50R15も装着できます。
 当然ながら、あまりインチアップするとトラックとしての実用性は下がるので、実用性重視であれば13インチくらいまでがよさそうです。研究員でも一度14インチを装着してみたものの、乗り心地が悪いと13インチにダウンした人もいます。また、NA車に幅165でグリップの良いタイヤの組み合わせだと、パワーが食われて加速、最高速、燃費が悪くなるようです。軽トラックやバンにハイグリップすぎるタイヤを履くと転倒の危険性もあるので、乗用車用タイヤにする場合は、エコタイヤやベーシクッタイヤ程度にとどめておいた方がバランスは良いようです。また、過積載をするのであれば、トラック用タイヤのほうが安全です。

 話はスタッドレスに戻るのですが、同じ接地面積なら接地面が縦長の方が安定する感じがします。特にホイールベースの短いフルキャブオーバーの場合は顕著でした。フルキャブで幅165のスタッドレスを履いたところ、轍にハンドルを取られる傾向がありました。
 私が今使っているのは、ちょっと変則的で155/70R13というサイズです。直径は155R12に近いので、スピードメーターは狂うと考えられがちですが、実際にはスピードメーターやオドメーターは少し余計めに表示するので、直径が大きくなると、かえって正確になってしまいます。ギア比もわずかですがハイギヤードになっていい感じです。また、スタッドレスでも縦長接地で好フィーリングでした。


負荷能力と空気圧について

 乗用車用タイヤにした場合の負荷能力は、タイヤサイズの後ろに示される「ロードインデックス」(LI)でわかります。例えば155/70R13の場合はLI75で、適正最大空気圧の場合1輪あたり387kg、1軸で774kgの負荷能力となります。最大積載時の前後各軸にかかる重量はディーラーに行って整備書を見せてもらうとわかりますが、普通は車検証の後軸で計算するといいでしょう。管理人のアクティの場合774kg-後軸車重410kgで、計算上364kg程度となります。実際は前軸にも荷重がかかるので、その分をマージンと見ています。ただしこれはひとつの目安です。車検に合格する基準ではありません。

 JATMA(社)日本自動車タイヤ協会では、各LIそれぞれに、空気圧1.8〜2.4kgf/cm2(私の手元の資料では旧単位ですが、現在は新SI単位だと思われます)時の負荷能力が設定され、「JATMAイヤーブック」に一覧表が記されています。乗用車タイヤに記されている負荷能力(MAX LOAD ○○○kg)は、2.4kgf/cm2(≒240kPa)の時が基準です。

 ※新旧単位換算 1kgf/cm2≒98kPa 普通は約100kPaと考え、単位と桁を変えるだけで充分です。一般的な空気圧ゲージではそこまでの誤差は計測できません。

 例:LI75の場合 1.8=325 2.0=350 2.2=370 2.4=387(kg)


 これとは別に、そのタイヤが使える最大空気圧がタイヤサイドに記されています(MAX PRESS ○○○kPa)。同じサイズ、同じLIでも銘柄によって最大空気圧は違います。

 例:155/70R13の場合 ヨコハマA200=240kPa ピレリP3000=300kPa ファルケンSN828=350kPa

 2.4kgf/cm2(≒240kPa)〜最大空気圧までの間はJATMA規格外で、「使っても良いけれど負荷能力は保証なし」ということだそうです。



軽トラックに使える主なタイヤサイズ(純正が12インチの場合)
直径はダンロップのカタログから。メーカーによって多少差があります。

サイズ 直径 適応リム幅 LI
負荷能力
コメント
145R12 6PR 539
〜543
3.5〜4.5 -
450
ほとんどの軽トラックの純正サイズ 空気圧は350kPaまで
145R12 8PR 539
〜543
3.5〜4.5 -
520
アクティやダンプなどの純正サイズ 空気圧は450kPaまで
155R12 6/8PR 555 4〜5 -
485/560
最低地上高確保 ひとまわり大きめが好きな人へ
145SR12
145/80R12

155SR12
155/80R12
537


553

3.5〜4.5


4〜5

74
375

77
412
乗用車用タイヤ。乗り心地がソフトだが腰砕け感あり。
スタッドレスで乗用車用を履く人向け。
165/70R12 537 4〜5.5 77
412
12インチホイールのまま幅だけ広く。
145R13 6/8PR 569 4〜5 -
475/550
ハイゼットのオプションサイズ 最低地上高確保。
セミキャブには入らないかも?
155/65R13 532 4.5〜5.5 73
365
軽乗用車用に多く売られているサイズ。コーナーリング性はかなり良いが、ギア比がローギヤードになる
155/70R13 548 4〜5 75
387
↑よりコーナーリング性は劣るが、トータルバランスがよさげ。バモスのオプションサイズ。
165/65R13 544 4.5〜5.5 77
412
軽ワゴン車標準サイズ。NAだとパワーが食われるかも。
165/70R13 562 4〜5.5 79
437
アトレーとサンバーワゴン標準サイズ。NAには辛そう。
155/55R14 528 4.5〜5.5 69
325
155/65R13からのインチアップサイズ。直径小さいのが気になる。
155/65R14 555 4.5〜5.5 75
387
ブリヂストンBスタイルとヨコハマDNAエコス。155R12と同じサイズで14インチ。
165/55R14 538 4.5〜6 72
355
ドレスアップ目的サイズ トラックとしての実用性はかなり低くなる。
165/60R14 554 4.5〜6 75
387
↑よりは多少実用的?
165/50R15 545 4.5〜6 73
365
ほとんどハッタリ。運転には相当気をつけなければ・・。
165/55R15 564 4.5〜6 75
387
165/70R13からのインチアップサイズ。
175/50R14


175/45R15
535 5〜6 74
375

72
355
ピレリP6000 薄皮1枚という感じ。

 乗用車タイヤにしたいけど、少々オフロードも走る・・という人には、ヨコハマの「スーパーディガーV2 SD05」というタイヤに155/70R13サイズがあります。本格的オフロードタイヤにはかないませんが、828のようなタイヤに近い位置付けで、バランスが良さそうです。OEタイヤ扱い(本カタログの後ろに載ってます)で、普通は取り寄せになります。価格は研究員報告によるとタイヤ単価5,000円/本だったそうです。それにしても・・何の車に標準装着なんでしょう?

 また、管理人はピレリP3000というタイヤを履いています。国産ベーシックタイヤが騒音対策のためにゴム質でウエットグリップを稼ぐのに対し、ピレリは太めの横溝でウエットグリップを確保するので、少々の泥なら一昔前のスタッドレスくらいひっかきます。ただし、期待しすぎは禁物ですが・・・。これも農家的にバランスのいいタイヤだと思います。
ホイール編
 ホイールのサイズ表示は、次のようになります。
 4.00     B  − 12      オフセット40       P.C.D100
  |      |    |        |              |
幅(インチ) リム形状 直径(インチ) とりつけ面のオフセット ナットの対角線の長さ

 現在の軽トラックは、上記のサイズであれば、すべてのメーカーに使えるように統一化されました。(リム形状はBでもJでも可。普通は考えなくていいです)本当はメーカーによってオフセットが少々違うのですが、標準サイズの145R12だと、はみ出したり内側に当たることはなさそうなので、スタッドレスの特売などは、あらかじめタイヤ・ホイール組み込まれた状態で売れるので好都合です。

 現行車でインチアップの場合は、アフターマーケット用のホイールで4〜5Jでオフセット45、P.C.D100に、155〜165幅のタイヤの組み合わせでとりあえず全車OKのようです。純正系ホイールを別の車やメーカーにという組み合わせの場合は、P.C.Dが同じでもセンターハブの大きさが違って履けない場合もあります。また、ダイハツ車はフロントのブレーキキャリパーが大きく、ホイールによっては内側が干渉しやすいので注意が必要です。静岡地区オフでセンターハブ径計測しました。

 また、特に他の軽自動車のホイールを流用する場合は、ボルトの径にもご注意ください。今の軽自動車は12mmですが、昔は10mmの車もありました。他のスペックが合っていても、ボルト径が違うと入らないことがあります。逆に10mmボルトの車に12mmのホイール(特に鉄チン)を履くと、ナットがきちんと締まらない場合があります。その点、汎用のアルミホイールはどちらにも使えるようになっている場合が多いようです。

純正のホイールデータ(12インチ) データがわからない場合のオフセットの測り方
現行モデル 幅(インチ) P.C.D オフセット
キャリイ(’01年9月〜) 3.5 100 45
サンバー(’90年4月〜 660cc以降) 100 45
ハイゼット(’99年〜 新規格) 100 40?
アクティ(’88年4月〜 HA/HH型) 3.5 100 40
ミニキャブ(’99年〜 新規格) 3.5 100 45?
旧モデル
キャリイ(’95年5月〜’01年9月) 100 45
キャリイ(〜’95年5月) 114.3 35
サンバー(〜’90年4月 550ccモデル) 3.5 100 45
ハイゼット(〜’98年 旧規格モデル) 110 50
(S80系までの2WDは35
 S100系は2WDも共通)
アクティ(〜’88年4月 2気筒モデル4WD) 100 35
アクティ(〜’88年4月 2気筒モデル2WD) 120 ? (10インチ)
ミニキャブ(〜’98年 旧規格モデル) 114.3
(一部100もあり)
38
ホンダ車のナットは特殊な球面ナットです。ホンダ車に純正以外のホイールを履く場合は、60度テーパーナット、M12P1.5に換えてください。



雪国の軽でポピュラーなセンターキャップ付き鉄ホイール。フリーハブがない車種なら全ての12インチ軽貨物車に装着可能です。
ただし純正オフセットが35の車の場合は内側に引っ込みます。逆にオフセット50の旧ダイハツへ履くとツライチに近いそうです。

○旧規格車では、スズキ、三菱の一部がPCD114.3、ダイハツが110だったので、旧型から買い換えた方は要注意です。(アルミや特売ホイールは、穴が12個あいていて、どのPCDでもとりあえず使えるようになっているものがあります)
550cc〜660cc初期で前輪にフリーハブが付いている4WD車の場合は、センターハブ径が極端に大きいので純正以外のホイールはまず合わないと思っていいでしょう。P.C.D114.3はフリーハブのために設定されたようです。

○アルミホイールは、基本的に商用車対応のJWL−T規格でないと車検に通りません。ただし各地の軽自動車協会によってはJWLだけでもOKのところがあるようです。(規制緩和で積載量500kg以下の商用車には問われなくなったそうです)例え車検に通っても、普通のJWL規格だけでは荷物を多く積む人には強度的に問題があるそうです。

 12インチだとJWL−T規格のものが多いのですが、13インチはなかなかありません。13インチにインチアップしたいが、アルミだと強度的に不安がある・・という方には、「ウエッズ」というメーカーから「ディアルゴ」という外見もアルミ風の鉄ホイールが発売されています。

写真はディアルゴE(現在のFとほとんど同じ物です)
ローテーションの必要性
 キャブオーバーのタイヤは、一般に前輪の外側が早く減ります。これは前輪のキャンバー角で走行特性をコントロールしているのと、ロールが大きめだからです。ただし常に荷物を満載したり、ローダウンして前輪のキャンバーがネガディブ(前から見て正ハの字)の場合は、内側が減ることもあるそうです。
 それに対して、後輪はサンバーを除いて常に平行なので、まんべんなく減っていきます。その結果、特に4WDでは前輪の方が後輪より倍も減ってしまうのです。とある農家の550cc最終型アクティは、スタッドレスを履き潰ししていましたが、ローテーションしなかったため前輪が1分山、後輪が5分山といった減り方をしていました。また、2WD車でも前輪が早く減る傾向があるようです。
 このようになってくると、直進性や安定性が悪くなっていきます。4WDなら前後に回転差も生じてしまい、駆動系にストレスがかかってしまいます。
 そこで5000kmごと前後を入れ替えると長持ちするばかりでなく、安定性も保てるのです。前だけ減るので2つごと交換する人もいますが、4WDの場合は前後タイヤが違うのは良くないので、ローテーションしましょう。雪国で夏冬それぞれ5000km未満しか走らない場合は、ホイールの裏にでも右左とマジックで書いておいて、次に履く場合は減っている方を後、山が残っている方を前にします。

 その時、左右を交換するのがいい説と、交換しない方がいい説があります。車の説明書を見ても、タイヤのカタログを見ても、2つの説が入り混じっています。
 ラジアルタイヤは回転方向に馴染むので、逆転させると振動やノイズが出ます。しかし、キャブオーバーは特に前輪外側が段減りするので、左右を交換すると段減りが解消され、振動やノイズが少なくなるという相反する要素があります。

 いろいろ試した結果、左右を交換すると振動やノイズが出やすいのは、前輪の要素が大きいようです。
 そこで私の場合、後輪から前輪に移動する場合は左右はそのまま、前輪から後輪に移動する場合は左右を換えてみました。これで1周すると4つのタイヤが均一に減りました。しかし、これが正解かどうはかわかりません。
ちょっとコラム

 トラック用タイヤは大丈夫か?

 2001年度のJNCAP安全テストのうち、ブレーキテストでもっとも制動距離が長かったのがバモスです。要因はいくつか考えられると思いますが、145R12-6PRのバンタイヤというのが一番大きな要因だと思います。
 というもの、アクティ/バモスのABS装着車で、純正タイヤだと「ABSが余計なところで作動して止まらない」という報告がいくつかありました。他社の145R12-6PR採用の軽トラック&バンでも報告されています。だから他社のワゴン車では165/65〜70R13以上が採用されているのでしょう。バモスにも155/70R13採用の「Sパッケージ」というものが登場し、ABSのセッティングも変えたそうです。
 そこで私はヨコハマA200という乗用車用ベーシックタイヤの155/70R13サイズにしたところ、ABSが顔を出す頻度がぐっと少なくなり、安心してブレーキが踏めるようになりました。A200は一昔前のベーシックタイヤで、現在の基準では最低限という感じですが、それでも純正バンタイヤとは雲泥の差です。

 考えてみれば、軽トラックに4WDが登場して5.00−12、更には145R12が標準サイズになった頃は、車重700kgを切っていましたし、30馬力程度、ほとんどが4速車だったので最高速も100km/hがせいぜいでした。
 それが今では車重800kgを越え、50馬力前後、120km/hもあたりまえに出るほどに成長しました。145R12の耐磨耗性重視タイヤでは、そろそろグリップが足りなくなったのではないでしょうか?
 しかし、乗用車タイヤでは荷物を積むのに心もとないところがあります。そこで155/70R13-6PRくらいのサイズで、グリップ重視の安全タイヤというのが望まれると思います。同時にブレーキも13インチホイール前提に、ひとまわりサイズアップすればより安心できると思います。このサイズが軽トラック&バンの標準になって、オフロード重視とか積載重視とか、何種類か選べるようになったらいいなと思います。
 もちろん、普及するにはタイヤの流通が前提になるので、1社だけではなかなか難しいと思いますが、そろそろどうにかしてもらいたいものです。

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