買い換える価値はあるのか?

 新規格軽トラックの値段は、ベーシック車で70万円くらいからはじまり、安全装備とエアコン・パワステを付けると100万円前後になります。ちなみにダンプなどを除いて一番高いのは、ミニキャブの4速AT車で、ABSと両席SRSを付けると120万円を超えてしまいます。
 
 これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれでしょう。ABSにしてもSRSエアバッグにしても、「あんなものはかえって危ない」と言う人もいるので、そう思う人には無理には薦めません。まぁ、この問題を書き始めると数ページに及んだりするので、ここではこれ以上言及はしません。
 私としては、SRSやABSを「一人前の自動車として」選べるようになったことは評価します。トラックだからABSなどいらないという理論はないのですから。
 
 昨年末、同級生が交通事故で亡くなりました。
 会社の軽トラックで朝早く出張に出かけた彼は、橋に差し掛かったところで凍結していたのかスリップし、対向してきた中型トラックと正面衝突しました。どうやら助手席側から突っ込んだらしく、運転席側はさほど潰れなかったのですが、左足を挟まれたようです。結局、彼は外傷性ショック死でまもなく亡くなりました。享年28歳でした。
 私としても、「安全な軽トラックを」と主張して数年。もうすぐ安全基準に適合した軽トラックが出るという矢先だっただけに、ショックでした。
 
  旧規格軽トラックは、一般公道を走る自動車として通用するものだったのでしょうか?家から農地まで農道を走るだけだったら安全性など必要ないでしょう。しかし軽トラックでは幹線道も走るし、JAや市場まで出荷しに行くし、中高生の孫を駅まで送り迎えに行くという光景もよく目にします。今までは安全性などなくても、日本の農家に最適で、他に替えられるクルマがないから乗っていたように感じます。

 新規格軽トラックは、「自動車として」一般公道を走るための、最低限の安全性を備えただけに過ぎないかもしれません。しかしそれでも、軽トラックの歴史では最も大きな進化だと思います。660ccになった時とは比べ物になりません。
 新規格になって騒がれたのは軽乗用車ですが、本当は軽トラックとバンこそ新規格の意義が大きいのです。

 先日、アクティ・タウンを仮予約してきました。ABSと両席SRSエアバッグとエアコンを付けました。前のアクティを買った91年にはエアコンなしでも走れましたが、現在の交通状況では、田舎でもエアコンなしではとても走れません。また、ABS付きの乗用車に乗り慣れているために、ABSなしの車など考えられなくなりました。

 他メーカも一応試乗してみたのですが、私にはやはりフルタイム4WDが性に合うようです。(99年5月記)



このページの文章画像等を無断で転載、引用はご遠慮願います。
また、他所へ無断リンク又は貼り付け行為を一切お断りします。
Copyright(C) H.Adachi All Rights Reserved.