河北民報2002年12月26日号 1面

河北町の十二月議会は十二日から十八日まで開かれ、一般質問と二十三案件(十九議案と四請願)の審議が行われました。
日本共産党の木村章一・斎藤隆両議員は、全部の議案に賛成しましたが、請願一件は賛成少数で不採択となりました。
木村・斎藤両議員は一般質問や議案審議で積極的に発言し、具体的な提案も示して奮闘しました。以下に主な内容をご紹介します。

木村章一議員の一般質問
特養の入所待機者をなくせ

① 特別養護老人ホーム「眺葉園」の増床と改築を急げ
② 河北町の観光振興基本構想を作り、観光による所得向上を
③ 中央公園の盆踊りを毎年の恒例行事に
④ いたみがはげしい町営住宅東団地の集会施設の改築・改修を 

>①について
八十三名もの待機者
現在、眺葉園に入所を希望して待機中の高齢者は八十三人います。

そのうち自宅で待機していてすぐにでも入所したいと申し込んでいる高齢者が四十人もいます。

個室化が時代の流れ4人部屋解消へ

眺葉園は県内でも早い時期に建設され、河北町の高齢者福祉充実に大きな役割を果たし、高い介護水準も評価されています。

しかし、施設は四人部屋がほとんどで個室化の流れに対応できず、建設後二十年経過し施設の老朽化も心配されています。

介護保険料をとるなら増床は当然
医療保険では誰でもいつでも、必要な医療を受けられることは当然なことです。介護保険でも同じはずですが、施設が足りないことを理由に特養に入所できない状況が続くことは大問題です。
木村議員は以上のことから、介護保険の保険者である町当局が、眺葉園の増床、改築など施設整備の責任を果たすことを強く求めました。

>②について
観光振興で町民所得向上の仕組みづくりを
木村議員は、河北町の観光事業は、まだ観光産業になっていないこと、 特に河北町に観光においでいただいたお客様から食事、宿泊、物産購入、施設利用などでお金を使ってもらう仕組みづくりが不十分なこと、
さらに、観光ポイント間の連携が希薄で、肉そばを食べに来た人が紅花資料館にまったく立ち寄らないし、その逆も無いことや、ぶらっとぴあやひなの湯、紅花資料館などの間でも有機的な連携がないこと、
全体的な観光振興の戦略が無く、広域的な観点から河北町の観光振興を見据えて方向付ける役割を、町行政が果たしていないことが問題と指摘しました。
木村議員は、観光振興基本構想を作り、行政などの果たすべき役割を明らかにすることを提言しました。

>③について
中央公園で毎年盆踊りを
次に木村議員は、好評だった中央公園完成記念の盆踊り大会を毎年の恒例行事にすることを提案しました。

>④について
東団地集会施設の改築を
木村議員は少子化の流れの中で、アパートは町外からの人口の流入の受け皿となり、町内から流出することを食い止める役割を果たしていることや、中でも公的アパートは、住民の定着率が高く役割は大きいことを指摘。

公営住宅法に従い、ずいぶんいたんでいる町営住宅東団地の集会施設を改築・改修することを求めました。

矢作町長の答弁
特養について矢作町長は、〇三年度に二十床の増床計画があるのに、介護報酬の改訂を見てから判断すると、自ら立てた計画さえ守れない答弁でした。

観光振興基本構想については、現状の問題点を克服する踏み込んだ答えはありませんでした。
中央公園の盆踊りは、今年限りのものとの答えでした。
東団地集会施設の改築については、国や県の補助制度があれば取り組みたいと前向きの答弁でした。

被害農家に朗報 無利子の融資制度スタート
無登録農薬問題の風評被害等や台風二十一号の被害に悩む農家に、県と町の利子補給による無利子の融資制度がスタートします。
これは十二月議会における質問に農林課長が答えたものです。

融資制度のおもな内容
① 融資対象は、被害による収入減が01年の売上比一割以上かつ30万円以上の果樹農家で、減収額の9割まで融資を受けられます。
② 受付期間は03年の1月6日から6六月いっぱいまでです。
③ 受付窓口は農協の各支所です。
④ 据え置きは1年以内で融資期限は09年度までとなっています。
2002年12月26日号



河北民報2002年12月26日号 2面

斎藤隆議員の一般質問
町内にも活断層―対策急げ


① 山形盆地断層帯について町内の地域ごとに説明会を
② 町政モニター制度の復活を

>①について
活断層が町内を縦断
斎藤議員は、先ごろ発表された山形盆地断層帯は、河北町内も縦断していることを指摘しました。

阪神大震災と大差ない確率
また、発表によると地震がおこる可能性は、今後三十年間に0から7%の確率で、阪神淡路大震災の地震直前の評価、2から8%の確率と比べても大差なく、河北町は急いで十分な対応策をとる必要があることを指摘しました。

阪神大震災の8倍のエネルギー
さらに斎藤議員は、予測される地震の大きさはマグニチュード7・8で、マグニチュード7・2だった阪神淡路大震災の8倍のエネルギーの地震が起こりうると発表されていることを紹介しました。

地域ごとの説明会を
斎藤議員は、ただ心配するだけでなく、町民が前向きに積極的に対応するために、状況の説明と、対応の方法について町内の地域ごとに説明会を開くことを提案しました。

地震ハザードマップの作成を
また斎藤議員は、現在、最上川の洪水ハザードマップを作成中ですが、地震ハザードマップも作成し、町民が日常的に、地震に対する心構えが作れるように援助する方法も提案しました。

公共施設の耐震診断と耐震改修を
斎藤議員は、地震の際に避難場所になる可能性の高い公共施設、例えば学校や役場など公共施設の耐震診断と、耐震改修についても町当局の考えをただしました。

>②について
町政モニターの復活を
斎藤議員は、町民の声をよりよく町政に反映するために、昨年度で廃止した町政モニター制度を復活させるように求めました。

矢作町長と町当局の答弁
地震ハザードマップは河北町だけなく、広域で対応する必要があると答えました。
公共施設の耐震調査は役場、コミュニティセンターなどでご指摘のように実施したい、現状として小学校は全部基準をクリアーしていますが、中学校は今の耐震基準が出来る前の設計で調査が必要と答弁しました。
町政モニターについては、募集してもモニターのなり手が少なく、最近は広報かほくに「べにばなメール」を折り込んで、毎年度数十通のご意見をいただいており、当分、この方法でいくと答弁しました。

日本共産党の議員団は「有事法制」反対請願に賛成の討論
要旨は次のとおりです。

① 有事法制は町民の生命や財産権、町行政にマイナスの影響がある。
② 職種によっては、町民が強制的に戦争協力させられる。
③ 世界の流れは話し合いによる紛争解決の方向。
④ パレスチナ紛争のように武力による報復は問題解決にならない。
⑤ 今の時期に平和憲法に逆行する有事法制をつくる必然性はまったく無い。


12月議会の議案の採否


① 平成14年度各会計予算の補正(一般会計第3回 国保第2回 農集排第1回 下水道第3回 介護保険第2回 水道第2回) 6件
⑦ 個人情報保護条例 1件
⑧ 課制条例の一部改正(03年4月より水道課と下水道課を統合) 2件
⑩ 町職員の育児休業条例の一部改正 1件
⑪ 町の特別職、職員の給与等に関する条例の一部改正 4件
⑮ 国民健康保険税条例の一部改正 1件
⑯ 水道給水条例の一部改正 1件
⑰ 西村山広域行政事務組合規約の一部改正 1件
⑱ 町道路線の認定および廃止 1件
⑲ 河北町歴史資料館の建設及び松本一笑軒の顕彰と「山寺状」の復刊についての請願 1件
⑳ WTO農業交渉に関する請願 1件
21 大堰土地改良区事務所跡地利用に関する請願 1件
22 WTO農業交渉等に関する意見書の提出について 1件
⇒☆以上の①から22までは全会一致で採択
23 「有事法制」に反対する意見書の採択を求る請願  1件
⇒☆23 は賛成2名、反対15名で不採択
2002年12月26日号