河北民報 2005年04月29日号

3月定例議会では学校給食や幼稚園、保育所の民営化など重大問題が明らかになりました。木村章一、斎藤隆両議員が一般質問などで取り組んだ内容についてお知らせします。

保育所や給食など民間委託の動き急

行政サービス切り下げの心配
中身を見極めしっかりご意見を

この2月に田宮町政が決定した「河北町行財政改革大綱」では、国の構造改革で財政が厳しくなり、行政のやるべきことが増えるので「民間にできることは民間に委ねる」ことを基本にするとし
○ 幼稚園・保育所の統廃合や民間委託の検討
○ 公共施設(図書館なども含む)の管理運営を外部委託する計画づくりと推進
○ 給食センターの調理業務などを06年4月から民間委託
○ 窓口業務の民間委託
などを進めるとしています。
河北町行政で急激な変化が計画されています。町民はその中身を見極め、行政や議員などにしっかり意見を伝えることが重要です。

来年4月の中学給食開始は評価
一般質問で木村章一議員は学校給食センターの民間委託問題を取り上げ次のように質問しました。

教育としての給食守れ
06年4月から中学校に給食が開始されることは評価する。
しかしこれに合わせて調理業務などを民間に委託する考えは、地産地消や教育としての給食という点で失うものが多く、一方で経費の節減効果は少ない。

食材発注支払業務の委託は給食費目減りに
特に食材発注支払業務の民間委託は、もし食中毒が発生した場合、食材の発注と調理の両方を任せておけばその責任をすべて業者に問えるからだ。
1億円近くの食材発注と支払いの業務を民間に委託して利益を取るなということには無理があり、給食費の目減りの心配を作ることになる。民間委託は考え直すべきだ。
これに対し町長は、食に関する教育の場はなくならない。食材の発注支払業務の委託で問題は生じないと思っているなどと答えています。


放置されるムダづかい
地域に出ての努力は評価
いきいきサロン事業のように少ない予算ながら、全町民を対象に健康づくりを働きかけ担当職員が苦労しながら内容を発展させ中身が前進しているものは評価します。

入札や下水道見直しで 経費大幅削減を
経費削減で、効果があるのに入札方式の見直しがなされていない。
下水道の浄化槽方式への切替などによる支出削減策が不十分です。

少子化対策はさらに努力を
少子化克服策では、放課後児童クラブ、子育て支援センターやつどいの広場の立ち上げなど前進は見られるが、まだ多くの若い町民の心を揺り動かし、この町で子育てをしたいと思わせる水準に至っていません。

町は農業守る防波堤に
農業振興策では、国の農業つぶしともいえる農業政策があり、町は防波堤の役割を求められているが、そのようになっていません。
道路美装化や

彫刻通りづくりは ムダづかい
どのようににぎわいを作るのか明確にしないまま建設事業を進めることはムダ遣いになる。効果が見えない彫刻通りづくりや、ブロックを敷き詰め除雪の弱点になる道路の美装化などはムダ遣いです。

観光振興には基本構想が必要
観光は個々にはがんばっているが全体として責任や権限が明確にならず、成行き任せの状況がある。
観光振興では基本構想が定まっていないことが問題です。


なぜ議員を減らせの声が

少数が精鋭とはならず危険
斎藤隆議員は議員団を代表し、議員定数を2名減らす条例改正案に反対の討論をしました。

チェック機能の低下招く

県町村議会議長会の斎野事務局長は経費の削減を理由とした定数削減はむしろデメリットの方が大きい。一般職員と違い、議員の場合は削減をしても少数が精鋭とはならず、むしろ危険である。ムードによる減員は、理論的根拠がないと指摘しています。
町民の代表である議員を減らすことは、町民の声が届きにくくなり、町政チェック機能の低下を招き、議会の形骸化につながります。
確かに町民の中に、議員を減らすべきだという声が多くあります。
なぜ議員の数を減らせという声が出るのか深く掘り下げてみる必要があります。

国の赤字を地方につけ回し
1つには、政府の失政による莫大な赤字を地方につけ回しにされた財政上の理由が考えられます。
しかし議会が町民の多様な意見を反映するにはある程度の人数が必要であり、その根拠となるのが地方自治法で、河北町の議員定数は26人です。

近隣に議員削減のムード
2つには、近隣自治体が削減しているというムードがあります。しかし、現在の20人という定数は概ね町民1千人に1人の割合で、妥当な人数です。

必要性の理解得る努力を

3つには、議会の役割や必要性が十分理解されていないという点です。これまで議会だよりやホームページ(特に日本共産党議員団も努力)などでその時々の議会の様子を伝えてきましたが、さらに踏み込む努力が必要です。

議員活動に不信や不満?

4つには、選挙の時だけ頭を下げる議員の活動に不信や不満があり、働かない議員はいらない、税金のムダづかいだということになるのではないでしょうか。
議会がやるべきことは議員削減ではなく、町民の意見、要望や疑問に丁寧に応え、真に町民に信頼されるため全力をあげることです。
本来、町民のために一生懸命働く議員は多ければ多いほどいいのではないでしょうか。
(反対3、賛成16で議員2名削減案は可決になりました)


斎藤隆議員と木村章一議員の一般質問について紹介します。

見直しされる介護保険 国民のための見直しを
斎藤議員は次のように質問。
スタート以来5年目を迎えた介護保険制度で、国民に利用しやすい制度にするため、見直すべき課題として以下の5項目について政府に働きかけるべきと考えるがどうか。

国庫負担を増やし応能負担に
① 国庫負担を25%から30%に引き上げ、利用料、保険料の減免制度をつくること。
② 保険料・利用料のあり方を、支払能力に応じた応能負担制度に改めていくこと。
③ 在宅でも施設でも安心して暮らせる基盤整備を進めること。
④ 介護・医療・福祉の連携で健康づくりを進めること。
⑤ 介護労働者の労働条件を守り改善すること。
この質問に町長は、見直しでは施設入所の場合、食事料負担を月2万6千円、ホテルコストという施設利用料を3万円にしようとしており、負担合計は月8万7千円になると答弁しました。

国庫負担増を訴えたい

斎藤議員はさらに、ホテルコストというが施設に入っても自宅はあって維持費はかかっていて2重負担になるのではないかと質問。
町長は、まだ介護保険の変更内容が明らかではないが、特養建設費も補助から交付金になり町負担が増える心配があると答弁。
国庫負担の引き上げは国に訴えていきたいと答弁しました。

観光振興へ 四課の協力体制を

木村議員は、紅花、ひな、さくらんぼ、ぶらっとぴあ、ミニギャラリーなど、河北町の観光資源はどれも他市町村がうらやむものであり、町長の仕事として、これらを結びつけ相互に支え合うようにすべきだと質問。
さらに商工観光、農林、企画情報、都市整備の各課がバラバラにやっている観光事業の協力体制をつくり、観光振興の基本構想をまとめる必要があると質問しました。
これに町長は、プロジェクトチームを作り、観光振興の考えを文書にまとめたいと答弁しました。

町民のための施設管理を
木村議員は、町が現在管理を委託している施設の管理を、06年4月から指定管理者制度というものに変更することにしているが、目的の第一は経費節減ではなく、町民が利用しやすい施設にすることにせよと質問。
町長は、総務省の通知では、施設が町民にとって有効に利用されることが第一目的だが経費節減も大きな目的になっているなどと答えました。

除雪は町民が納得する水準に

さらに木村議員は交差点に車で乗り越えられない段差ができたり、2車線の町道がいつまでも1車線しか確保できない事態を改善せよ。
除雪機に、除雪の方向を簡単に切り替えられる汎用ブレード導入の検討をと質問しました。
これに町長と都市整備課長は、除雪は質量ともに充実に努めてきた。除雪用の汎用ブレード導入は検討したいと答えました。