2005年05月08日号 号外 05月08日号の1

① 3月議会で共産党 議員団の取り組み
2005年3月議会における日本共産党議員団の取り組みを紹介します。

一般質問  木村章一

観光振興を 町民のための施設管理を 
町民納得の除雪を 給食の民間委託に反対


観光資源の結びつきと 4つの担当課の協力体制を
紅花、ひな、さくらんぼ、ぶらっとぴあ、ミニギャラリーなど、河北町の観光資源はどれも他市町村がうらやむものであり、これを結びつけ相互に支え合うよ うにすべきだ。商工観光、農林、企画情報、都市整備の各課がバラバラにやっている観光事業の協力体制をつくり、観光振興の戦略をまとめる必要がある。
町長 プロジェクトチームを作り、観光振興の考えを文書にまとめたい。

町民のための施設管理制度にせよ
町は06年の4月から現在管理を委託している施設の管理方法を指定管理者制度というものに変更することにしているが、目的の第一は経費節減ではなく、町民が利用しやすい施設にすることにせよ。
町長 総務省の通知では、施設が町民にとって有効に利用されることが第一目的だが経費節減も大きな目的になっている。

除雪は町民が納得する水準にせよ

たくさん降雪があった時に除雪が遅れるのはやむを得ないが、交差点に車で乗り越えられない段差ができたり、2車線の町道がいつまでも1車線しか確保できない事態改善のため必要な除雪予算を確保せよ。
除雪機に、除雪の方向を簡単に切り替えられる汎用ブレードの導入を検討せよ。
町長 除雪は質量ともに充実に努めてきた。
都市整備課長 汎用ブレード導入は検討したい。

来年4月からの中学給食開始は評価
06年4月から中学校に給食が開始されることは評価する。

教育としての給食守れ
これに合わせて業務を民間に委託する計画があるが、教育としての給食や地産地消の取組などで失うものが多く経費の節減効果は少ない。

食材の発注支払委託は給食費目減り心配

特に食材発注支払いの民間委託は、食中毒の責任をすべて業者に負わせることのために、給食費の目減りの心配を作ることになる。
町長 食に関する教育の場はなくならない。食材の発注支払いの委託で問題は生じないと思っている。


一般質問 斎藤 隆
利用しやすい介護保険へ努力を

国民のための見直しを
スタート以来5年目を迎えた介護保険制度で、国民に利用しやすい制度にするため、見直すべき課題として以下の5項目について政府に働きかけるべきと考えるがどうか。

国庫負担を増やし応能負担に
どこでも安心な基盤整備と健康づくりを
① 国庫負担を25%から30%に引き上げ、利用料、保険料の減免制度をつくること。
② 保険料・利用料のあり方を、支払能力に応じた負担に改めていくこと。
③ 在宅でも施設でも安心して暮らせる基盤整備を進めること。
④ 介護・医療・福祉の連携で健康づくりを進めること。
⑤ 介護労働者の労働条件を守り改善すること。
町長 見直しでは施設入所の場合、食事料負担を月2万6千円、ホテルコストという施設利用料を3万円にしようとしており、負担合計は8万7千円になる。

国庫負担の増を訴えたいと答弁
ホテルコストというが、施設に入っても自宅はあって維持費はかかっていて2重負担になるのではないか。
町長 まだ変更の内容が明らかではないが、特養建設費も補助から交付金になり町負担が増える心配がある。 国に対して、国庫負担の引き上げを訴えていきたい。


議案審査の発言
3月議会の議案審査で日本共産党議員団の発言と町当局の答弁を紹介します。

福祉タクシー券に換えて給油券も
心身障害者のための福祉タクシー券の予算はなぜ減額補正なのか。
健康福祉課長 福祉タクシー券は、内部障害者などで車を運転できる方には給油券としてもご利用いただけ、年に500円券を12枚提供しているが、まだお知らせが進んでいないため予算が残ってしまった。

放課後児童クラブ委託費は運営費の5割

放課後児童クラブは町が設置して委託費を支払い、民間で運営する体制になっているが、財政がきびしく父母負担を値上げせざるを得ないところがある。
昨年の議会で詳しく調べると町長が答弁している。どう調査したか。
健康福祉課長 まだ調べていないのでこれから調べたい。


② ①ページからのつづき
委託費は、全体の運営経費の50%を町が負担する考えだ。


児童手当のスタートで少子化克服は

新たに生まれた第2子には年に10万円、第3子には20万円を支給する児童手当の効果はあったか。
町内外にいる若いカップルの心に届く宣伝が大切ではないか。
保健推進課長 児童手当は少子化克服の弾みになっているかもしれない。
宣伝は、がんばっていきたい。

実務しっかり 創造性を持ち 部下教育も まず幹部から教育を
職員教育の基本は上司や先輩が、日常の仕事をこなしながら、仕事を通じて部下や後輩を教育していくことではないか。
仕事の中身は、実務をキチンとこなす。創造的に仕事を発展させる。部下を教育できるようにするということで、まず幹部職員教育をすべきだ。
助役 外から入って感じたが、役場は「公務員の心得」は徹底してやっている。
企業的」なやり方もずいぶん勉強している。
今後の課題は研修を実際に生かすことで、具体的な目的を持った研修を取り入れたい。
行政評価システムは何回も研修している。数字目標を持ったやり方を取り入れたい。

増税した国保はしっかりした予算作りを

国民健康保険の療養諸費は前年度に比べ16年度は25%の増額予算だったが、補正で10%も減額。
17年度はまた12%もの増額予算になっている。
何を根拠に計算して、なぜこの様になるのか。しっかり予算づくりを。
保健推進課長 国保連合会から資料を取り寄せて、分析したい。

老人クラブ補助金を2年連続大幅減に
老人クラブは高齢者の人数が増え、健康づくり活動など、ますます活発な活動が求められている。
しかし地区のクラブや連合会への補助金が2年連続してどんどん減っているのはなぜか。 
健康福祉課長 老人クラブ連合会事務局の場所を商店街に設定しようとしたが合意が得られず進まなかった。  老人クラブには十分に目を配っていきたい。

巡回ラジオ体操を機会に組織づくりへ
7月10日にNHKの巡回ラジオ体操が河北町にやってくると聞く。
毎日5分から10分身体を動かすラジオ体操は健康づくりに大きな効果がある。
この機会に関係課が協力して、毎日ラジオ体操に取り組む組織づくりをしてはどうか。
保健推進課長 同じ頃の7月9日と10日には健康フェスティバルも開催する。
巡回ラジオ体操が単発に終わらないように取り組みたい。

ドンガ祭りは休日開催に ひな祭りは?
今年からドンガ祭りは土・日・月(休日)と休日に合わせて開催されると聞く。
祭りの日程が平日と休日では人出がまったく違うので、ひな祭りも休日に合わせることはできないのか。
町長 ひな祭りは月遅れのお雛様の日という意味がある。休日のお祭り開催については即答できない。

にぎわいづくり 彫刻通りづくりでは無理
彫刻5体を1千500万円で中央通りに設置する目的は何なのか。
にぎわいづくりが目的なら別のやり方にお金を使うべきだ。
彫刻製作者に約束してから議会への提案では、断ることができず議会の意見を反映できない。議会軽視ではないか。
町長 境港市ではゲゲゲの鬼太郎など妖怪の彫刻を80体並べて、人気を呼んでいる。
都市整備課長 彫刻は、名誉町民の製作者と予備交渉はしてきたが、まだ決定していないので変更可能だ。

ヤマコー跡地に交流施設を建設へ
ヤマコー跡地に建設する建物の設計業者がコンペ方式で選ばれている。
本当に活用される施設にするため、現在不足している中央公民館用の小会議室を10以上つくり、おおいに町民に利用してもらうようにすべきだ。
お祭りの時は全室の可動間仕切りをたたんで、広々と開放できる建物にし、西側の広場には何も作らず、駐車場やお祭り広場になるようにできないか。
都市整備課長 コンペは設計する内容を決めたわけではなく設計業者選出だ。
建物の大きさは1千200㎡以内だが、10室は取れると思う。

県道寒河江・村山線は18年度から整備へ

要害の県道寒河江・村山線の関連整備予算が減額されているがなぜか。
安全対策が求められているこの県道整備はどのように進むか。
都市整備課長 交差点整備は関係者の都合でまだご協力をいただけなかった。
県道整備は17年度に測量、18年度から用地買収が始まる。
要害から三泉まで現在6.5m幅の車道を8.5mにし、東側に3mの歩道をつける計画だ。




河北民報 号外 5月8日号の2

③ 議案審査の発言
05年3月議会の日本共産党議員団の発言と町当局の答弁を紹介します。

もうけ過ぎの水道料金は引き下げを
水道は5億7千万円の支出で6億7千万円の収入となり18%もの利益でもうけ過ぎだ。
河北町の水道料金は全国ではとても高い水準だ。
利益が多すぎると村山広域水道からの受水費引き下げ運動も弱くなる。
以前の見直しするという答弁を実行し、適正料金に引き下げよ。
上下水道課長 よく検討して引き下げはしない結論だ。
受水費引き下げは、受水団体で取り組んでいる。

下水道事業は17年度に見直しへ
下水道は、以前からの約束どおり国から交付金が来ているのか。今後の見通しはどうか。
下水道事業は合併浄化槽の何倍も経費がかかる。早く見直すべきだ。
総務課長 これまでは予定通りほぼ借入金返済額の50%交付されているが今後はかなり心配で、交付金を40%に減らす議論もある。
17年度中に下水道の見直しに結論を出す予定だ。

特別職期末手当の40%加算を見直せ
町長や議員の特別職報酬で期末手当に40%加算はおかしい。
県内でも加算率を低くしているところが複数ある。見直しせよ。
町長 加算率の見直しに代えて報酬を減額している。

道路のブロック美装化はやめよ
せっかくの舗装路を壊して、ブロックを敷き詰める道路美装化は、沢畑や谷地では金をかけても観光客誘致やにぎわい作りに役立たず、除雪がやりにくくなる弱点をつくるばかりで、やめるべきだ。
都市整備課長 除雪の方法を研究したい。

各区に雪捨て場をつくる方式の検討を

先日、雪の多い朝日町を調査してきたが、各区など小さな区域ごとに雪捨て場を設定してもらい、町が除雪機とダンプを持ち込んで効率よく排雪し道路を広くしていた。
朝日町方式を検討できないか。
都市整備課長 朝日町方式を検討研究してみたい。

区名で消防のテレホンサービスを

1月の火事で3名が亡くなった。その時サイレンが鳴らなかったのはどうしてか。
最近の消防テレホンサービスは場所を住所で表現するのでわかりにくくなった。
区の名前で消防情報のテレホンサービスできないだろうか。
環境衛生課長 サイレンがならなかったのは雪で固まったせいとわかった。
消防の緊急通信は発信地表示システムに替わり、早くわかりやすくなっている。
区名での消防テレホンサービスについては広域の管理者会で取り上げる。

両所で指定管理者制度を初適用
両所活性化センターの管理委託で協定内容を文書で示せ。
総務課長 今後、管理者の指定にあたっては、資料や経過を提示して議会にかけたい。

ひな市通り東地区の宅地販売不振 町の援助は当然
谷地の北口地区から東方面のひな市通り東土地区画整理事業について、事業の財源になる保留地がうまく売れないのは組合だけに責任があるような町長の発言だがそれは事実と違う。
最初に北口の道路整備を補助金でやる都市計画事業にしないで、家屋移転など多額の経費を土地区画整理事業に背負わせるようにしたのは町の判断だった。
その結果保留地の単価が高くなって売るのに苦労しているのだから、町が援助をするのは同然ではないか。
町長 公共的な色合いの強い事業であることは認識している。

パソコン講師が学校にいなくなる

学校に派遣されていたパソコン講師が予算化されていない。大変有効な派遣だったと聞くが継続すべきではないか。
教育長 あくまでも補助的なものだったので影響はない。対応は、
①校内でパソコンの得意な先生を中心にする。
②町内の得意な先生を派遣する。
③地域の詳しい方を講師にお願いする。方法などを考えている。

政務調査費に住民監査請求が多発
定数削減の条例改正とセットで検討し、町長に予算措置を任せた議会の政務調査費は、その使い方について住民監査請求を受ける場合が多いという指摘があるが見解は。
冨樫覚太郎 定数調査特別委員長 今回は定数削減の条例案なのでその質疑には答弁しない。

図書館の開館時間延長を
図書館の開館時間延長を求める高校生からのメールがあった。考えはどうか。
生涯学習課長 図書館は主には勉強するための場所ではないので、即対応は考えていない。


④討論(意見表明)  木村章一
平成17年度一般会計の予算案に反対
地域に出ての努力は評価

例えばいきいきサロン事業のように少ない予算ながら、全町民を対象に健康づくりを働きかけ、担当職員が熱心に地域に出かけ、苦労しながら町民の意向を汲み取り事業内容を発展させ予算額は同じでも中身は前進しているものもある。
しかし全体としては町民が望む町行政を実現するには不十分だ。
行政水準の向上という問題では職員の力量を引き上げる課題があるが、幹部職員が、日常業務の実行、業務を創造的に発展させる意欲、部下や後輩に業務執行をつうじて職員教育をすることが実現できている者は少数である。

入札や下水道見直しで経費大幅削減を
経費削減では入札方式の見直しがなされていない。
また下水道の根本的な見直しによる、繰出金の削減策が不十分だ。これまで対案を示し、その本質に迫る見直しを求めてきたが、改善に至っていない。

少子化対策はさらに努力を
少子化克服策では、放課後児童クラブ、子育て支援センターやふれあい広場の立ち上げなど前進は見られるが、まだ多くの若い町民の心を揺り動かし、この町で子育てをしたいと思わせる水準に至っていない。
高齢者福祉では、たとえばねたきり老人介護者激励金のように、逆行している問題がある。

町は農業守る防波堤になれ

農業振興策では、残念ながら国の農業つぶしともいえる農業政策があり、町は防波堤の役割を求められているが、そのようになっていない。

道路美装化や彫刻通りはムダづかい

まちづくり事業ではにぎわいが実現されている場面をしっかりイメージする作業を省略している問題がある。どのようににぎわいを作るのか明確にしないまま建設事業を進めることは無駄遣いになる。彫刻通りづくりや、道路の美装化などは投資対効果を考えれば無駄遣いだ。

観光振興には戦略が必要

観光振興では戦略が定まっていないことが問題だ。
観光は個々にはがんばっているが全体としては責任や権限が明確にならず、成行き任せの状況がある。

来年4月からの中学給食開始は評価

中学校給食を06年の4月から実現するための必要な予算措置は評価する。

給食の民間委託は問題が多く反対
しかし民間委託計画、さらに給食費が実態として目減りする心配が高い食材の発注支払い業務を民間委託する考えには、問題がある。せっかく進めてきた地産地消をしっかり実行することなどを考え合わせれば、学校給食センターは町直営が最善だ。


討論(意見表明)   斎藤 隆
町議定数を2名減らす条例改正に反対
なぜ議員を減らせの声が

私は、議員定数を22名から20名に減らした平成10年も反対討論した。県町村議会議長会の斎野事務局長は経費の削減を理由とした定数削減はむしろデメ リットの方が大きい。一般職員と違い、議員の場合は削減をしても少数精鋭とはならず、むしろ危険である。ムードによる減員は、理論的根拠がないと指摘。
町民の代表である議員を減らすことは、町民の声が届きにくくなり、町政チェック機能の低下を招き、議会の形骸化につながるという考えは今も変わらない。
確かに町民の中に、議員を減らすべきだという声が多くある。なぜ議員の数を減らせという声が出るのか深く掘り下げてみる必要がある。

国の赤字を地方につけ回し

1つには、政府の失政による莫大な赤字を地方につけ回しにされた財政上の理由が考えられる。
しかし議会が町民の多様な意見を反映するにはある程度の人数が必要であり、その根拠となるのが地方自治法で河北町の議員定数は26人である。

近隣に議員削減のムード
2つには、近隣自治体が削減しているからというムードがある。しかし、現在の20人という定数は概ね町民1千人に1人の割合で、妥当な人数である。

議会の必要性理解に努力を
3つには、議会の役割や必要性が十分理解されていないという点だ。これまで議会だよりやホームページなどでその時々の議会の様子を伝えてきたが、さらに踏み込む努力が必要だ。

議員活動に不信や不満

4つには、選挙の時だけ頭を下げる議員の活動に不信や不満があり、働かない議員はいらない税金の無駄遣いだということになるのではないか。
議会がやるべきことは議員削減ではなく、町民の意見、要望や疑問に丁寧に応え、真に町民に信頼されるため全力をあげることだ。

議員を育てようのコラム

「山形新聞」の夕刊に「議員を育てよう」というコラムがあった。
「県や市町村の地方自治をより良くするために最も短期間にしかも確実に効果の挙がる方法は、県や市町村の議員の質を向上させることにあろう。(中略)議員 の活動はあくまでも地域のためのボランティアである。われわれもボランティアで情報を集め、アイデア出しを行い、選挙活動を行い、議員を支えていく必要が ある。議員の質が向上すれば、議員は今以上に尊敬されることは間違いない」と述べている。
本来、町民のために一生懸命働く議員は多ければ多いほどいいのではないか。
議員の質が向上すれば少なくとも「議員を減らせ」という声は激減するのではないか。(おわり)