現在、カーオーディオにはたくさんのメディアが使われています。キャブオーバーやサスペンションが硬いトラック特有の問題もありますので、それぞれの長所、短所をリストアップいたします。
CD | 最も普及していて、デッキもCD−R/RW対応で定価16,000円程度と手ごろなものから高級機まで揃っています。 |
○ | 他のメディアにコピーしたりする手間がありません。音質は一番良いです。 |
× | 自動車、特にトラックという苛酷な環境では傷つきやすく(特に初期のレーベル面が銀色のCD)、万一の破損の際、心理的&金銭的ダメージが極端に大きいです。 古いデッキだと音飛びしやすいです。 ピックアップ(レコードでいう「針」)は消耗品で、中古で手に入れる場合は注意が必要です。 |
CD−R/RW | まずはWAVE=音楽CDと同じ形式で録音されたもの場合です。 |
○ | CDと同じデッキで再生でき、好きな曲を集めたり編集ができます。 オリジナルCDを大事に保存したい場合に向いています。 |
× | 編集にパソコンが必要で、その編集もちょっと面倒です。 傷には弱く、消耗品と思った方がいいです。 元のCDとまったく同じ音質ではなく、ほんの少し劣化があります。普通の人は聞き比べないとわからない程度です。 コピーコントロールCDの場合は基本的にコピーや編集ができません。 |
MP3 | CD(WAVE)のデータを10分の1に圧縮できます。 レコードショップに行かなくても、ネットで配信されている曲をMP3形式で購入して、そのまま使えます。 記録媒体としてCD−R/RWを使う場合と、メモリースティックなどを使う場合、HDDに読み込む場合があります。 ちなみに、WMAという圧縮ファイル形式に対応しているデッキもあります。 |
→CD−R/RW | |
○ | 1枚のCD−R/RWに10枚分のCDをコピーできるので、CDチェンジャーを付けるスペースがない場合に便利です。再生できるデッキも定価22,000円程度まで下がりました。 |
× | 同じ傷が付いた場合、WAVEファイルに比べてダメージが大きく、情報欠損による各種エラー(音飛び、ノイズ、停止)が起こりやすいです。 圧縮するので音質は悪くなりますが、車内の普通のオーディオセットでは気にならない程度です。また、圧縮ソフトによって音質が異なります。 コピーコントロールCDの場合は基本的にコピーや編集ができません。 |
→シリコンメディア | |
○ | 音飛び、破損無し、軽量。 |
× | 再生メディアの性能に依存しますが、現状、直再生の車載デッキはHDDナビか高級機のみです。基本的に、FMトランスミッターかカセットアダプタ経由なので、音の劣化があります。 |
CDデッキの互換性について | 基本的に上位互換で、MP3対応は普通のWAVE形式のCD−R/RW、もちろんCDも読み込めます。 現在ではほとんどのCDデッキがCD−R/RW対応となりました。 古いデッキ等で対応表示がない場合、CD−RWは読めないことが多いです。CD−Rは読めるものと読めないもの、ディスクによっては読めるもの、読めるが音飛びしやすいものが混在しています。 管理人の経験では、SONYやカロッツエリアのデッキ、CDチェンジャーだとかなり古いものでもCD−Rは読み込み可能、CD−RWは不可能でした。 2001年頃のバモス純正デッキでは、CD−Rは読めるのもののディスクによっては多少音飛びすることがありました。RWは読めませんでした。 1998年頃のトヨタ純正デッキの一部では、CD−RもRWも読み込み不可だったそうです。ただしほとんどのトヨタ純正デッキではCD-Rは読み込んでいるそうです。恐らく製造メーカーによると思います。 |
MD | CD-Rより多少音質は悪くなりますが、コピーコントロールCDが中心の人、ラジオなどからのエアチェック、バンドなどをやっていて自分で録音しちゃう派に向いています。 |
○ | CDより振動、埃に強く、多少なら手荒に扱えるのでトラック向きだと思います。 CDからコピー、編集できるラジカセが比較的安価に売られているので、パソコンがなくても手軽に編集できます。 曲順を入れ替えたり、例えばライブ盤の曲からMC(トーク)をカットするなどの編集が簡単です。 コピーコントロールCDからでもコピーや編集ができます。 |
× | デッキ部分が壊れやすい。ひの(YOU)研究員は2回壊れたそうです。 音質はCDより劣りますが、これも車で普通のオーディオで聞く分にはほとんど気になりませんが、音質にこだわる人には物足りないでしょう。 同じグレードのデッキであればCDとほぼ同じ価格ですが、まだ廉価版デッキがなく、下は少々高価になります。MDコンポやラジカセを持っていない場合はそれも買わなくてはいけません。 |
カセットテープ | 現在淘汰されつつあります。ほとんどのメーカーで廉価版1〜2機種しかありません。 |
○ | デッキが安価。とりあえずFMラジオが聞きたい、CD/MDチェンジャーのコントローラーとして使いたい、といった場合にはコストパフォーマンスが高いです。 CDから録音したものでも音が柔らかい感じがして、長時間聞いても聞き疲れしにくいです。 |
× | 逆に高級機がほとんどありません。 音質は純正オーディオで普通に聞く分には充分、条件がよければMDより良いこともありますが、テープがたるんだりのびやすい、ヘッドが詰まりやすいという面で落ちやすいです。特にトラックはテープに過酷です。 聞きたい曲まで飛ばすのが大変です。 CDからコピーするためのミニコンポやラジカセは安価ですが、最近はメタルやドルビーに対応しているものが少なくなりましたので、音質を求めるには録音側に高級デッキが必要です。 |
まとめ | 音質重視、面倒くさがりやさんにはCDが一番ですが、傷ついた時に泣かなければいけません。 CDを大切に保存する場合は、CD−RかMDかカセットとなりますが、トラックには取り扱いの面でMDが向いていると思います。あとは持っているパソコン、コンポなどに左右されます。 |
お節介ですが操作性について一言
デザインは単に「好み」では済ませられません。ズバリ、右側にツマミ型のロータリーボリュームが付いているデッキが使いやすいです。+-ボタン式ボリュームですと急に音を下げたい場合は押し続けなければならず、運転に集中できません。
また、機械オンチの家族が乗る時に、英語のボタンの意味がわからなくても、とりあえずボリュームを左に回せば音を消しておくことができます。
現在(2004年)流行の左右に同じようなツマミが2つあるデッキは、メーカーによって操作方法がまちまちで、どっちがどっちかわかりません。
誰でも使えそうなデッキとして、イエローハットで売っている「Fine
mine」というシリーズを推薦します。(ただし、管理人は実際に使ったことがないので「使いやすそう」というだけですが・・)
現行の軽やコンパクトカーの多くには時計が付いていません。カーオーディオやAMラジオの時計で済ますことによって、トータルでコストダウンできるからです。
ほとんどのオーディオは時計表示が付いていますが、その操作が難しいもの、光の映り込みで確認しにくいもの、オーディオの電源を切るとキー位置がACC以上でも時計表示が消えてしまうもの(パイオニア、JVCで確認、サンヨーはほぼ全部)があります。また、最初から別に時計が付いている車の純正オーディオを移植すると、時計機能そのものがない場合もあります。
メーカーも機種も多く、モデルチェンジの激しい業界なので、具体的にどの機種が良いとか悪いとか挙げられません。カタログにも載っていないので、店頭の展示品で確認してから買うと良いでしょう。
○スピーカーを変えてみる
純正スピーカーはコスト優先のショボいものです。これをアフターマーケット用に変えるだけで音がクリアになります。(普通は約8,000円〜 オートバックスの特売輸入スピーカーで4,000円〜)
○チューンナップトゥイーター(ツイーター)
高音は音の通る方向がはっきりしています。現行アクティやキャリイなど、スピーカーが下にある車種はなかなか乗員まで届きません。そこで高音専用のスピーカーをインパネやドアの高いところに追加します。(普通は約5,000円〜、特売品で1,344円)
○チューンナップウーファー(ウーハー)
軽自動車に使われる小型のスピーカーで低音を出すのは難しいです。また、52〜62型キャリイ、旧規格サンバーのようなダッシュボード取り付けタイプのスピーカーはより低音を出すのが難しくなります。更に、低音は走るとロードノイズに消される特性があります。そこで低音専用のスピーカーを追加します。その中でチューンナップウーファーと呼ばれるものは、非常にコンパクトなわりに意外なほど低音が出て、アンプも一体になっているので取り付けも比較的簡単なので軽トラックに向きます。(普通は約20,000円〜 オートバックス専売JVCモデルが約17,000円)
また、研究員には足元中央などに堅牢なスピーカーボックスを自作して、16〜17cmのスピーカーを取り付け、アンプの空きチャンネルで音を出す自作派も多くいます。
○大きなスピーカーに変えてみる
軽自動車に使われるスピーカーは10〜13cmですが、ブラケット、バッフルボードを加工して普通車で多く使われる16〜17cmが付けられれば、小型スピーカーより低音が出ます。
○デッドニング
自動車のドアにはいくつもの穴が空いています。この穴を制振シートでふさぎ、ドア外板の裏側などに吸音シートを貼り付け、更にスピーカーまわりも制振シート、スピーカーと内張りの隙間を防音シートでがっちり補強すれば、ドアがスピーカーボックスに近くなり、音が締まります。これをデッドニングと言います。低音の良く出るスピーカーほどデッドニングが必要になります。エーモンからキットで出ています。(約12,000円〜)他に各パーツの単品販売もあります。
○バッ直、スピーカーコード
最近のデッキに内蔵されているアンプはハイパワー化し、45W×4くらいはあたりまえです。これでは純正ラジオ、オーディオに使われる細い車体のコードでは電気容量が足りません。そこでバッテリーから直接電源を引いてきて、常時電源はそのまま、ACCはリレーを通してデッキやアンプに繋ぎます。これを「バッ直」と言います。リレーなどの知識がない人にもキットが発売されています。(約3,000〜)
また、スピーカーコードも同様に高級品に変えると、電気の通りが良くなります。
ただし、カプラーで一体化されている純正オーディオでは、コードを変えるのは難しいです。
○アンプ追加
特にガンガン鳴らさない場合でも、アンプの余裕があれば音質は違います。純正オーディオでは難しい作業ですが、アフターマーケットの外部出力のあるデッキであれば、外付けアンプに変えられます。でも軽トラックのサイズで常識的な音量で聞くのであれば、最近のデッキ内臓の40W×4(2chはトゥイーターを駆動)もあれば充分ですが・・・。ただし、アンプは内蔵、外付け共にスペックには表れない「音の質」にこだわったものもあり、単純に出力だけでは比べられません。
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