サンバーの歴史

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(550ccまでの写真、イラストがあります)
サンバー40周年特集
サンバー5
トラック(型式 K75)
バン(型式不明)

 360ccから550cc規格への変更は、当時の軽メーカーには突然で、開発が間に合わずにボディをそのままにエンジンだけ500ccや550ccにしたモデルがいくつかあります。
 サンバー5もそのひとつで、ボディは剛力サンバーそのものでバンパーだけ延長、エンジンは4サイクル化されましたが中途半端な500ccでした。結局わずか1年の短命モデルでした。

サンバー550
サンバートラック(型式 2WD:K77 4WD:K78)
サンバーバン(2WD:K87 4WD:K88)

 77年5月、「間に合わせ」だったサンバー5を拡大し、完全550cc規格サイズにしたモデルが発売されました。4サイクル2気筒エンジンです。
 79年にはバンにクラス初のハイルーフ車が設定されました。しかし、この時点ではテールゲートは標準ルーフと共通で、上まで開きませんでした。バンの上級モデルは「エクストラ」というグレード名で、のちのトライ、ディアスの基になります。
 80年11月には、クラス初の4WDが追加されました。シフトレバーの横に4WDレバーが装備されたパートタイム4WDでした。ただし、タイヤは10インチのままでした。

KT型サンバー
サンバートラック(型式 2WD:KT1 4WD:KT2 
              4WDの3バルブ:KT6)
サンバーバン/トライ(2WD:KR1 4WD:KR2 
 2WDの3バルブ:KR5 4WDの3バルブ:KR6)


KT2(初期型KT1も4WDマークとタイヤ以外は同じ外見です)


サンバートライKR2 角型ヘッドライトが特徴です。

 82年9月、完全新ボディでフルモデルチェンジ。4WDのタイヤも12インチとなりました。
 ホイールはそれまでの合わせホイールから通常のホイールとなり、4WDが3.5B-12、P.C.D100、オフセット45、2WDが10インチ(他は同じ)となります。なお、4WDの鉄ホイールは三角形基調の独特なデザインです。オプションで鉄のスポークホイールもあります。

 バンの上級モデルはワゴン色が濃くなり「サンバートライ」と命名され、テールゲートが大きく開く完全ハイルーフとなりました。また、リヤシートが反転してクラス初の完全フラットフロアが出現する構造になりました。他社でフラット収納ができるのは86年のハイゼットバン、全グレード可能になったのは88年のアクティ/ストリートからなので、かなり前進していたといえます。更に、床面前半を跳ね上げることによって低いフロアが出現します。
 トラックとトライ(バン)ではフロントウインドーの角度が異なり、トライは美しいシルエットになっています。ただし、トライのオプションである大型ミラーがトラックには装備できません。
 トラックはウインドーの角度を変えてもなお、かなり窮屈感がありました。

 トラックの4WD車には4速+エクストラローが装備され、左上が後退、左下がELという変則的なシフトパターンとなりました。トライ4WDではトラックと同じ4+ELと、5速ミッションが選べるようになっています。
 4WDシフトは最初はシフトレバー式だったのですが、すぐにマイナーチェンジしてプッシュボタン式となり、コーナーリングなど前後に回転差がある場合はなくなるまで「待って」4WDになるシステムとなりました。ただし、他社のようなフリーホイールハブの類は装備されません。
 シフト操作はマニュアル、クラッチのみが電磁式のオートマチックという「オートクラッチ」がラインナップされていました。詳細は不明です。(誰か詳しい方がいたら教えてください)

 インパネは味気ないといえば味気ない直線基調ですが、規格1DINオーディオが取り付けられるようになりました。軽キャブオーバーでオプションのカバーなしにインパネに収まるのはサンバーが最初です。
 空調操作レバーは独特で、風量調節が見当たりません。実はセレクターレバーを引くのです。また、エアコンの強さは別のツマミになります。はっきり言って、ELのシフトパターンと共に他車から乗り換えるとかなりまごつきます。

 グローブボックスを開けると、なんということでしょう!蓋の裏側にスケール(ものさし)と尺貫法などの換算表(長さ、面積、重さ)が現れます。




 トライを除くとSTDとSDXのグレードがあり、トラックハイルーフ車もラインナップされていました。STDはベンチシートでシートスライドがありません。また農協で売っている「営農サンバー」もこの前のモデルからありました。営農サンバーにはバンパーやヘッドライトガーニッシュが白塗装された特別仕様車もありました。


KT6(KT1後期型もタイヤ以外同じ外見です)

 87年9月には大幅マイナーチェンジ。フロントフェイスが一新し、トライは異型角型ヘッドライトになります。トラック/バンのガーニッシュも逆台形から通常台形に変更されています。また、バンパーが金属製からプラスチック製になります。シートベルト法規制に伴って、全車巻き取り式シートベルトとなります。
 エンジンは4WD全車とトライ2WDの一部に3バルブが採用され、かなり力強くなりました。そのモデルだけ型式が異なります。また、トライの一部にビスカスカップリング式のフルタイム4WDが採用されました。チョークレバーが廃止され、オートチョークになりました。
 スバル360の名残りだったトレーリングアームのサスペンションが、フロントだけストラットに変更されました。

 89年にはトラックにもフルタイム4WDとダークブルー色が選べるようになりました。

サンバー660
サンバートラック(型式 2WD:KS3 4WD:KS4)
サンバーバン/ディアス(2WD:KV3 4WD:KV4)


KS4(左:中〜後期型 右:初期型) 2WDも外見は同じです。

初期型:1990年3月、660cc規格変更とともにフルモデルチェンジしました。キャブオーバーで最初から完全新規格だったのはサンバーだけです。
 それまでの低く押さえた窮屈なキャビンから一転、鳥居抜きでも全高1750mmと高い角型キャビンで、大柄な人も余裕の運転姿勢が取れるようになりました。バンの荷室もかなり広くなりました。
 バンの上級グレードは「サンバートライディアス」と名付けられ、当時流行の2面大型サンルーフも設定されていました。途中から「サンバーディアス」と名称変更されます。
 初期型はディアスが異型角目、それ以外は丸目が特徴で、管理人は「パンダ顔」と呼んでいます。

 エンジンはそれまでの2気筒から一気に4気筒(EN07型「クローバー4」)になり、40馬力のNAに加えて、55馬力のスーパーチャージャーもラインナップされました。ミッションは4WDのMTが全車5速+ELとなり、Rギアのレイアウトも通常の右下に変更さてました。また、2WDも全車5速となります。
 更に、スーパーチャージャーと組み合わされて、電子制御無段変速AT(ECVT)が2WD、4WD共にラインナップさています。なお、ディアスを除いて基本的にMTがシフトレバー上にボタンのあるセテクティブ(パートタイム)、スーパーチャージャー+ATがビスカス式のフルタイム4WDになります。

 ディアスはマイナーチェンジごとに4WD方式とミッションの組み合わせが変わっていたので、ここでは割愛させていただきます。基本的にSCが「ディアスII」、NAが「ディアス」「ディアスクラシック」です。のちに「マレッサ」などのお買い得仕様が追加されています。

 2WD時の燃費を稼ぐフリーホイールアクスルと、デフロックはトラック4WDのSDXのMT車にオプション設定さています。
 クラス初で未だ他社にないフロントベンチレーティッドディスクブレーキを採用し、タイヤも全車12インチとなりました。

 グレードはディアスを除けばSTDとSDX、SDXスーパーチャージャー、トラックにもハイルーフ(SDXのみ)、それに「営農サンバー」ですが、トラックの4WD+AT+スーパーチェージャーは営農サンバーにのみ存在し、MT+スーパーチャージャー(4WD、2WD共)、ハイルーフは営農にはラインナップさてていないと、ややこしい設定です。
 バンのSDX標準ルーフは2WDのみ、4WDで標準ルーフを選ぶとSTDになります。
 STDとSDXそれぞれの装備は当時の一般的なものですが、初期型のSTDはシートスライドがありません。間欠ワイパーと助手席ドア連動ルームランプは、ディアスを除けば営農(JA)サンバーのみ装備されています。

 インパネは曲線の混じった力作デザイン。オプションのカバーなしに(ただしアタッチメントは必要)2DINのオーディオがすっきり収納できるのもクラス初です。インパネ左右に楕円形スピーカー(10×15?)が収まるようになり、音質を求めるのは難しいものの手軽にステレオ化できるようになりました。なお、SDXに装備さてているAMラジオは時計付き電子チューナーとなりました。
 ドアの内張りはディアス以外がシンプルな平ボード、ディアスがプラスチック成型トリムです。

 翌91年には営農サンバーにディアスと同じ異型角目、カラードバンパー、5+EL・MTでフルタイム4WD、パワステ付きの「営農サンバースーパーカスタム」が設定されました。同時期に出たアクティタウンといい、高級軽トラック市場開花か?と思われましたが、あまり売れなかったのか、フルタイム4WDに抵抗があったのか、次のマイナーチェンジで消えてしまいました。
 また、営農サンバーに、農家で一般的に使うコンテナが1段に付き12個(ノーマル鳥居は11個)積める鳥居と、地上高確保のため大径135/95R12オフロードタイヤ装備の「果樹農家仕様」が追加されました。大径タイヤもまたすぐ消えてしまいました。
 なお、ハンドルは最初はやや太めで握りやすかったのですが、このモデルから細いチャチなハンドルに変わっています。

 エアコンつきのバンが「さわやか」というグレード名で発売されました。(確かこの辺で追加されたと記憶しています)
中期型:92年9月、全車ディアスと同じ異型角目に変更されました。
 STDにもシートスライドが設定されました。トラック2WDハイルーフに花屋専用の美しいFRPボディ「花駕籠(カーゴ)」が設定されました。「営農サンバー」が「JAサンバー」に名称変更されました。

 92年10月にはエアコンの触媒が環境対応新フロンガスとなり、SDXにフューエルリッドオープナー、トリップメーター、シートベルト警告灯が付きました。

 93年10月、ディアスクラシックが発売されます。これは長崎ハウステンボス用に開発されたものを、好評につき一般にも市販したものです。4WDもありましたがスーパーチャージャーはありませんでした。(新規格にはあります)

後期型:95年10月、トラックのアオリがそれまでのサイドプレスラインに沿ったものから、ハイゼットS100系と共通のものに変更されます。ちなみにハイゼットも同じ群馬県で生産されていることから可能だったと思われますが、ヒンジ部分が違うため互換性はありません。
 同時に鳥居が角パイプからキャビンの外を囲むような丸パイプとなり、JAでなくても全車コンテナが1段に付き12個積めるようになりました。

初期型〜中期型のアオリと鳥居


後期型アオリと鳥居

 96年9月、トラック、バン、JAサンバーにもクラシックが追加されました。これは数色あるディアスクラシックとは違い、ややベージュがかったストリームシルバーメタリック一色です。そのためか、通常のサンバーからシルバーが外されました。実は私が「トラックにもクラシックを出して!」と要望を出していました。
 エアコン、パワステつきのバンが「かろやか」という名前で発売されました。。

新規格
TT型(トラック)(型式 2WD:TT1 4WD:TT2)
TV型(バン/ディアス)(2WD:TV1 4WD:TV2)
こちらをご覧ください

後姿の特徴

 360cc時代から一貫して、黒いエンジンカバーがあるのが特徴です。KS後期型とTT型は横幅が違うだけで、よく見ないとどちらかわかりません。
 バックライトはエンジンカバーの中、右側にあります。
 KT型はテールライトが縦長、それ以前は細めの横長という独特なデザインでした。
 ロープフックはアオリがハイゼットと共通になってからは、TC(SDX)が3個、TB(STD)が2個です。それ以前はSDXが3個というのは覚えているのですが、STDは忘れました。(カタログを見ても載ってませんし)


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