ホンダアクティの前身は1963年に発売されたセミキャブの「T360」です。エンジン縦置きミッドシップで、現在のキャリイやミニキャブのようなレイアウトでした。
1967年に「TNトラック」に衣替えしてからは、エンジンが後輪直前に横置きされたリヤミッドシップとなり、フルキャプオーバーというスタイルを通してきました。 1999年の規格改正では、安全性向上のためセミキャブに戻りましたが、キャビンが狭い、あぜ道で小回りが利かないという苦情が出ました。 2009年末にバンを残してトラックだけフルモデルチェンジ。フルキャブに戻りました。 ターゲットはズバリ「農家」と「高齢者」 生産・販売規模が限られているだけにターゲットを絞ったようです。 キャリイのようにフルキャブとセミキャブを併売すれば良いのですが、ホンダの生産規模ではそう簡単にいかなかったようです。 フルモデルチェンジというものの、前半分だけ新設計のような形で、後ろ半分はあまり変わっていません。他のホンダ軽乗用車が世界標準の回転方向に統一されたP07Aエンジンを積むのに対し、アクティ/バモスのみ従来の逆回転E07Zエンジンを積みます。このエンジンは1988年の550cc、E05A型から改良されてきた物です。 P07AにはATミッションしかないのですが、トラックはMTが中心のため、P07Aを積むにはミッションを新設計しなければいけません。アクティトラックの生産規模で新設計しては採算が取れないのでしょう。 スズキやダイハツは新規格になってから2代目のエンジンで、タイミングチェーン化しているだけに、遅れている感はあります。 そのかわり、同じE07Zでも細部を改良し、車重も40kg前後軽量化し、燃費を向上させました。 ホイールベースは2代前の旧規格HA1〜4型同様の1900mmとなりました。最小回転半径は2WDがキャリイFCと並ぶ3.6m。4WDがハイゼットと並ぶ3.7mまで縮小されました。これは3.8mだった旧規格より小さい値です。 ホンダの広報では、ショートホイールベース化によって段差乗り越えで腹下をこすりにくくなったとのことですが、反面最低地上高は185mmで、5mmほど低くなっています。 2代前のHA4が200mmだけに、農家をターゲットとするなら残念なところですが、高齢者でも乗り降りしやすいようにと、走行安定性を高めるために仕方がないのでしょう。 ATTACKのみ155R12や145R13くらいの大径タイヤを履き、地上高を確保するなど差別化しても良かったと思います。 フルキャブですが額の部分のパネルが開き、ウオッシャー液やワイパー類の点検ができます。 その奥のパネルまで約10cmくらいある二重構造です。 安全性に関しては、一応オフセット衝突試験はしたというものの、具体的に時速何キロの試験か示していません。これは気になるところです。 ○グレード 従来どおり、基本の「SDX」、鳥居がない廉価版の「STD」(2WDのみ)、農業仕様でデフロック&UR/URギア付きの「ATTACK」、豪華仕様の「TOWN」という構成です。 TOWNの注目新装備はキーレスエントリー/集中ドアロック、そしてパワーウインドーですが、これらはSDXやATTACKにも付けることができます。(メーカーオプションなので注文時) 荷台の広さは従来後期型同様で、背面パネルまでが1940mm。 鳥居が2種類選べて標準鳥居の場合は鳥居までの長さが1920mm、ガードパイプ付き鳥居(写真)の場合は1905mmとなります。 鳥居までが1940mmあるキャリイやハイゼットに比べて多少狭いと言えます。 テールゲートの裏には、従来どおりみち板を引っ掛ける溝があります。 シートの高さは旧型セミキャブと一緒ということですが、小柄な人の場合はホイールハウスをまたぐ感があり、旧型の方が乗り降りしやすいと思います。 旧型セミキャブは運転席から前がフルトリムだったのですが、新型はドア内張りが大幅に少なくなり、Aピラーのカバーも省略されました。 ダッシュボードはオーディオが一番上に来る現代的なレイアウトになりました。また、オーディオも2DINサイズとなりました。 スピーカーはドアからダッシュボードの上面に移り、10cmタイプとなりました。 カップホルダーは足元からダッシュボード両脇、エアコン吹き出し口のところに移動しました。 アクティはエンジンが後ろにあるので、助手席を跳ね上げると荷物置き場になるのが特徴です。 旧型セミキャブは一般的な農家コンテナが積めるほど広かったのですが、新型はホイールハウスがあるので狭くなりました。しかし、ホイールハウスの後ろ側もできるだけスペースをとるように工夫されています。
3ヶ月ちょっと乗りましたので、新型アクティについて簡単なリポートを提出させていただきます。
思いついたことを列記しますんで、読みにくいでしょうが、ご了承願います。 まず、我が家のアクティは平成22年4月登録のSDX4WDで型はHA9となります。 前HA7と違い新車購入しましたので、メーカーオプションのパワーウインドウとキーレスを装着しました。 オプション価格21000円と格安ですので、是非お薦めしたいオプションです。 また、ディーラーオプションとしては、鳥居プロテクター・テールゲートチェーン・ゲートプロテクター・センター収納ポケット・助手席下収納ケース・フロアカーペットマット・フロアラバーマット・メッキドアミラーカバー・メッキタイプライセンスフレーム・マッドガード・フォグライトを装着しました。 また、個人的な好みで、TOWN用のフロントメッキモールディング・カラードミラー・カラードドアハンドル・純正CDプレーヤーを装着したので、パッと見はTOWNに見えるようになったと感じています。 では、乗ってみた感想ですが、今回の新型の大きな売りである室内の広さですけど、これは本当に広いと感じます。 身長175pの私が乗っても、全く窮屈さは感じません。 シートを一番後ろに下げた状態では、ペダルに足が遠いと感じるほどです。 先代前期も個人的にはそれほど窮屈感を感じていませんでしたが、新型に乗った後では、よく乗っていたなぁと感じるほどですね。 ただ、室内で言えば、質感は先代に比べてかなり低下してしまいました。 先代はドアやピラー部も含めてフルトリム化されていましたが、新型はピラーやドア丈夫が鉄板むき出しとなってしまい、寒々しい印象を受けます。 一見して安っぽくなったと分かってしまうのが悲しいですね。 ただし、インパネの収納部などの使い勝手は向上しています。 先代はカップホルダーなどは運転中はとても使えないような場所にありましたが、今回は運転席、助手席ともにベストポジションに配置されていますし、携帯などを置く場所も考えられていて使いやすいです。 しかし、先代にあった運転席側のドアポケットが無くなったのは不便ですね。 次に走ってみた感想ですが、これはセミキャブからフルキャブに戻り、ホイールベースが短くなった影響がモロに出てしまってます。 まず、直進安定性が非常に悪いです。 流れの早い国道などをペースを上げて走ると、横風を受けているかのようにふらつきます。 先代は高速時でも、さほど舵角を修正する必要がありませんでしたが、新型は結構ふらつきを修正する必要がありますね。 また、乗り心地も残念ながら悪化しています。 ピョコピョコするような感じと言えば、想像してもらえるでしょうか。 ただ、直進安定性と乗り心地の悪さは、タイヤを155/70R13に交換したところ、かなり改善しました。 標準装備のバンタイヤのせいもあるかとは思います。 エンジンのパワー的なものなどは、先代と同じE07Z搭載なので、ほとんど変わりません。 ただ先代の時もそうでしたが、1〜3速ギアで加速をする際に、段付きするような状態になりますが、これは燃費や排ガスの事を考えての仕様なんですかね? ちょっと吹けが悪くてイラ付くときがありますので。 あと、細かい事ですが、エアコン作動中は「ブーン」という感じでかなり大きな音がします。 コンデンサーなどからの音なのかもしれませんが、先代は静かだったのでこれも残念なポイントですね。 また、欠陥と言ってもいいかもしれませんが、雨天時に走行すると、室内に水が漏れてきます。 ウチの車は納車の日が大雨だったので、その日から確認できました。 新型は雨どいが無くなったので、その影響もあるんでしょうけど、現行キャリイやハイゼットもありませんから、設計不良と言われても仕方ないと思います。 尚、対策品のウエザーストリップが出ているようなので、ウチはクレームでそれに交換してもらいました。 その後は雨漏りは発生していません。 最後にどうしても、納得できない点があります。 それはABSの設定廃止です。 今までも、ほとんどオプションいなかったと思いますが、設定があって付けないのと、設定自体が無くなるのでは、大きな違いがあります。 ホンダは安全装備の普及に熱心なメーカーだと思っていましたが、この件はガッカリしました。 軽トラ初の、全車ABS標準装備とかを期待していましたが、今時設定を廃止するとは・・・ テールゲートチェーンは別売りですが、ホンダ独自の受け側が使いにくく、管理人は受け側のみスズキ製に変えました。他社では格納式チェーンが主流になっているだけに、改善が望まれます。
ホイールは3.5Bで適応幅が145までのため、地上高確保のため155のタイヤを履きたい場合は変更する必要があります。 旧規格HA1〜4までのホイールとは寸法が同じでデザインが違いますが、新規格車に履くことは可能です。その逆は確認していません。 アクティのページ タコメーター装着、バケットシート交換などの改造をした「Gちゃん」のサイトです。 |
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